毎日見かけるストリートミュージシャンの女の子。

毎日帰り道に見かけるストリートミュージシャンの女の子がいる。

それもほぼ毎晩0時頃、シャッターが下りた商店街で歌っている。


大体 いつも 酔っ払ったおじさんや、話がしたいだけの若いサラリーマンが2、3人 目の前で聞いている。


僕は聴きながら 歩いて通り過ぎているけど、ちらっと看板に書いてある名前を見る。


大体いつも YUIさんのカバーをしている。


Good by days だ。


立ち止まって聞いたことはないし、アーティスト名からホームページなど調べたりもしないけど、いつも歌ってる姿を見ると思い出したことがたくさんある。


ただ純粋に楽しいからやりだした音楽と、

ただ楽しいからストリートで歌い出した日のことを思い出す。



楽しくて始めたことが 楽しくなくなる瞬間は色々あるけど、


あの頃の僕は いつしか たくさん手売りのCDを売って、ライブのチケットを売って、聞いてくれる人を増やすことしか考えなくなっていた。


楽しくて始めたことを 仕事にしたいって思った瞬間から楽しさがなくなったことを覚えている。



でも今は楽しくてやっている。


楽しくやっていくために 色んな思いを切り離した。
色んな縛りも無くした。



楽しいだけじゃ 音楽で食べていけないよ!って 言う奴はたくさんいるけど、

楽しんでない音楽なんて もう誰も聞きたくないんだ。


音楽は 人々にとって娯楽の一つなんだ。



僕は生活を豊かにする為に音楽がある。




僕は思い出すんだ。




シャッターが下りた商店街で ただ楽しそうに歌う 名前も知らないあの子は

いつかの僕自身なんだ。