チケット代とか、ノルマとか。

ライブハウスでライブを始めた頃(18歳)、ライブのチケットは500円だった。

チケットが1枚500円だから、友達に買ってもらったりあげたりした。

東京に出て来て一番最初にライブをしたライブハウスでのチケットは1500円、プラスドリンク代500円だった。

この頃初めて ドリンク代500円がチケット代とは別にかかることを知った。

その当時、毎月事務所が主催するライブへも出演していたんだけど、こっちのライブに関しては 2500円(ドリンク代別500円)だった。
つまり聞きに来てくれる方は3000円かかるのだ。

当然その当時、ファンも友達も、知り合いもコネも何にもない僕は毎月売れ残ったチケットを自分で買い取り(俗にいうノルマというやつ)、毎月うん万円も自腹を切っていた。



そうなると、起きる感情は

楽しくて始めた音楽を、ライブを、すればするほどお金がなくなる。

やらないほうがまし。


という感情だけだった。


この当時の世の中のインディーズと呼ばれているアーティスト達の流れそのものだった。



そして、高いノルマを払ってライブハウスに出ることをやめ、歌う方も聞く方も無料のストリートライブ時代となった。

この当時の代々木公園並木道は、週末土日になると場所の取り合い、代々木公園に行くとストリートミュージシャンを1日に30組は見ることが出来た。


15メートル感覚でストリートミュージシャンがいたあの頃は いま思い出しても割と凄まじかった。

そしてライブハウスの主催者達はこぞって、代々木公園でお客さん(ファン)がたくさんいるアーティストだけを集めて ライブをするようになった。


このストリートライブ時代の話はまた今度するとして、


ライブハウスがなぜチケットノルマをアーティストから取るかというと、つまりは


運営していく為。

の一つだ。


もちろん、ライブハウスも場所代(家賃)はかかっているし、音響さんや照明さん、受付の方やバーテンの方、人件費もままならない。


つまり、アーティストがチケットをたくさん売ろうが売らないが、各アーティストからノルマをもらうことで経営がなりたっているのだ。


つまりこの時点で、ほとんどのアーティスト達は ライブハウスに出演している。というよりも、

出演させてもらっているのだ。


今まで出会って来たたくさんのライブハウスでは、ノルマ自体ない場所もたくさんあった。


そのノルマがないライブハウスに出演させてもらっているアーティストのほとんどがチケットが売れずに、売らずに 客席にいるのは出番待ちをしている出演者だけという これまた凄まじい状況だった。

なんなら 自分の出番が終わったらすぐ帰る人もたくさんいた。(誰もお客さんがいない場合も 数人いる場合も)


そうなると、ライブハウスがノルマを課さないと ドリンク代ももらえないどころか、ライブハウスのその日の売り上げは ゼロなのだ。

売り上げがゼロなのに人件費はかかるから ライブハウスがライブをすればするほど損をする。そんな悪循環が生まれ、

潰れて来たライブハウスもたくさん見て来た。


お客さん(ファン)をたくさん呼べるアーティストだけがライブハウスとウィンウィンの関係を築けた。


どうしてこの話になったかというと、世の中の価格にはそれ相応な価格設定がしてあると思っていて、


つまり 2500円のチケット代をもらってライブするならその値段以上の満足感がないともうライブハウスに足を運ぶこと自体無くなると思っていて、


僕が12月に行うライブのチケットは2500円プラスドリンク代500円で、3000円です。

交通費なんかもいれたら4000円から5000円くらいでしょう。


その日のライブが、その日 会場に足を運ぶのに 5000円も使う価値があるのかどうかは お客さんが決めることなのですが、

どうやったら、どんな活動をしたら、価値のあるライブにして、価値のある一日に出来るかどうか毎日真剣に考えています。


なんならこれまでアーティスト活動をしてきて一番考えています。



夢を歌う時代は終わって、リアルを歌う時代に変わりました。


そのリアルな歌の中にこそ、光があると思うのです。




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ライブ出演決定!
【日時】2017.12.13
【会場】Shibuya Scarlet vanilla
【OPEN/START】18:30/19:00
【チケット】2500yen(D代別途500yen)
【出演】KAZU. and more...
※チケット予約は kazusong.tokyo@gmail.com
または、ツイッター、Instagram DMも可。